「この科目だけは本当に苦手で…」
誰にでも、そんな苦手科目との思い出があるのではないでしょうか。
私は10年以上にわたって、200人以上の生徒たちと向き合ってきた家庭教師です。その経験の中で、実は「苦手」というのは、適切なアプローチさえ見つければ必ず克服できるものだと確信しています。
なぜなら、私自身もかつては数学が大の苦手で、テストでは赤点すれすれ。それが今では、生徒たちに数学を教えられるようになったのです。
この記事では、私が実際の指導で効果を実感してきた、具体的な苦手科目克服法をご紹介します。「なぜできないのか」から「どうすればできるようになるのか」まで、一緒に考えていきましょう。
目次
苦手科目を克服する第一歩:原因を分析する
苦手意識の正体を知る
苦手科目克服の第一歩は、その「苦手」の正体を知ることです。
これは、ちょうど医師が治療の前に必ず検査をするのと同じです。症状(苦手意識)の原因を特定せずに対策を始めても、的確な解決には結びつきにくいのです。
まずは、以下のような質問に正直に向き合ってみましょう。
📝 自己分析のポイント
【過去の経験】
└── いつから苦手意識を持ち始めたか?
└── どんな場面で「わからない」と感じるか?
└── これまでどんな対策を試してきたか?
【現在の状況】
└── 具体的にどの単元や分野がわからないか?
└── 授業中と自習時で理解度に差があるか?
└── 他の得意科目との学習方法の違いは?
効果的な問題点の洗い出し方
次に、より客観的な視点から現状を分析していきます。
ここで特に注目してほしいのが、学校の定期テストや模試の成績表です。これらは単なる点数の記録ではなく、あなたの学習状況を映し出す「診断書」として捉えましょう。
私の生徒の一人、数学が苦手だったAさんの例を見てみましょう:
【成績分析の例】
数学の成績表から見えた傾向
─────────────────────
┌→ 計算問題:70-80点台
得意 ┤
└→ 基本概念の理解:60-70点台
─────────────────────
┌→ 文章題:30-40点台
苦手 ┤
└→ 証明問題:20-30点台
この分析から、Aさんの場合は「文章を数式に変換する力」と「論理的な説明力」が課題であることが明確になりました。
このように、成績データを詳しく分析することで、漠然とした「苦手」が具体的な「克服すべきポイント」として見えてきます。
では、実際の克服法に入る前に、もう一つ重要なポイントを確認しましょう。それは、学力診断テストの活用です。
【効果的な参考書の選び方】
- 説明スタイル
└── 図解重視?文章重視?自分に合う形式を - 演習量
└── 基本問題が充実しているものを優先 - 解説の詳しさ
└── 丁寧すぎる解説より、要点を押さえた解説を
効率的な反復練習
「継続は力なり」というのは、勉強においても真理です。ただし、ただ漫然と繰り返すのではなく、効率的な反復を心がけましょう。
私が生徒たちに勧めている復習スケジュールは、以下のような形です:
【効果的な復習サイクル】
学習日
│
├── 翌日(1日後)
│ └── 基本事項の確認
│
├── 1週間後
│ └── 類題での応用練習
│
├── 1ヶ月後
│ └── 総合問題での確認
│
└── 定期的な見直し
└── テスト前や弱点克服時
特に重要なのが、過去問や類題の活用法です。これらは単なる問題集ではなく、あなたの理解度を測る「物差し」として使いましょう。
🔍 過去問活用のコツ
1. 時間を計って解く
└── 本番の試験を意識した練習に
2. 解き直しを重視
└── 間違えた問題は3回は解き直す
3. 誤答分析を行う
└── なぜ間違えたのかを必ずメモ
外部リソースを活用する
一人で抱え込まず、積極的に外部リソースを活用することも大切です。
私の経験上、家庭教師や塾を活用する際の最大のポイントは、自分に合った指導スタイルを見つけることです。以下のような観点で選択してみましょう:
【学習サポート選びのポイント】
個別指導
├── メリット
│ └── 完全オーダーメイドの指導
│ └── 質問しやすい環境
└── 活用法
└── 苦手分野の克服に特化
└── 学習計画の見直しに活用
集団授業
├── メリット
│ └── 競争意識による成長
│ └── 多様な解法に触れられる
└── 活用法
└── 基礎固めや応用力向上に
└── 他者の質問から学ぶ
オンライン教材
├── メリット
│ └── 時間や場所を選ばない
│ └── 自分のペースで学習可能
└── 活用法
└── 隙間時間の有効活用
└── 苦手分野の補強教材として
オンライン教材や動画講義を活用する際は、以下の点に気をつけましょう:
- 自分の理解度に合った教材を選ぶ
- 受動的な視聴に終わらない工夫を(ノートを取る、問題を解くなど)
- 定期的に学習進度を見直す
これらの外部リソースは、あくまでもあなたの学習をサポートするツールです。最終的に大切なのは、自分で考え、理解を深めていく姿勢です。
Aさんの成功の鍵は、基礎からの着実な積み上げにありました。特に効果的だったのは、証明問題を「パズル」として捉え直したことです。最初は簡単な問題から始め、少しずつ難易度を上げていきました。
Bさんの場合:英語嫌いが得意科目に
Bさん(中学3年生)は、小学生の時の苦い経験から英語に強い苦手意識を持っていました。「英語は暗記科目だから自分には向いていない」と決めつけていたのです。
【Bさんの克服プロセス】
当初の状況
├── 英語の成績:40点台
│ └── 特に文法問題が苦手
└── 授業中の様子
└── 発言に消極的
└── 音読を極度に嫌がる
↓
転機のきっかけ
├── 興味のある教材の活用
│ └── 好きな洋楽の歌詞
│ └── ゲームの英語版
└── 学習方法の見直し
└── 暗記から理解重視へ
└── 音声学習の導入
↓
1年後の変化
├── 英語の成績:85点以上
│ └── 文法問題も得意に
└── 授業への態度
└── 積極的な発言
└── 音読を楽しむように
Bさんの事例で特筆すべきは、学習アプローチの転換です。単なる暗記から、実践的な英語使用へと focus を変えたことで、学習意欲が大きく向上しました。
まとめ
ここまで、苦手科目克服のための具体的な方法をご紹介してきました。最後に、重要なポイントを整理しましょう。
【苦手科目克服の要点】
1. 原因分析を丁寧に
└── 漠然とした不安を具体的な課題へ
2. スモールステップで確実に
└── 無理のない計画で着実に前進
3. 視覚的ツールを効果的に
└── 理解を深める補助として活用
4. メンタルケアを忘れずに
└── ポジティブな姿勢を維持
5. 周囲のサポートを活用
└── 一人で抱え込まない
私からの最後のアドバイスは、「焦らないこと」です。苦手意識は一朝一夕には消えません。しかし、適切な方法で取り組めば、必ず克服できるのです。
今日から、あなたも一歩を踏み出してみませんか? まずは、自分の苦手科目について、このような分析をしてみるところから始めてみましょう。
そして、もし途中で困ったことがあれば、躊躇せずに先生や家族に相談してください。きっと、力になってくれるはずです。
あなたの苦手克服への挑戦を、心から応援しています。